愛しのイヴ

走行距離250Kmを超える頃、GAGの固有の名前は何にしようかと行徳辺りを走りながら考えていると、不意にアタマの中で『イヴがいい…』と女の子の声が響いた。
びっくりした!
おずおずと「イヴでいいの?…イヴがいいの?」と聞いてみるも返答はナシ。
でもまあなんだ、本人がそう言ってくれたんだから「イヴ」にしようということで名前は決まった。


旧車は買ってからがタイヘン。なにせ三十年間走っていなかったんだから覚悟はしていた。
幸いモトコンポのトココが先生になりいろいろなコトを教えてくれた。
相変わらず心臓はイジれないヘタレだけれど、出来る範囲のことをやった。
・落とせる範囲で錆を落とした。
・ミラーの根元に入っている深刻なカウルの割れを純アセトンで溶解接着。
クラッチワイヤーを注油洗浄。
・ヘタったウインカーリレーを交換。ただし箱型は生産中止なので丸型を自転車チューブを輪切りにしたゴムで固定。
・オイルを旧車用エクスターオイルスーパーDXに交換(スズキさんの偉大なところ。旧車用オイルが生産されている!)。
・オイルフィルター交換…ネジが外れずネジザウルス始動!三十年前のカチカチのOリング二本も交換。
などなど…。


気付くとイヴにかける愛情は半端の無いものになっていた。
週に二〜三時間の自由時間をほぼ捧げていた。
愛しのイヴ…。

その名はGAG

房単十周年の祝賀会(というよりは同窓会みたいだったな…)もつつがなく終了し、またバイクとは縁遠い日々へ…とはならず。
お祝いの会でメンバーには白状してしまったのだけれど、実は実はスズキのGAGというゼロハンを購入してしまいました!


今から三十年前、時はバブル経済の真盛り。当時大学生だった自分は同級生の一割以下くらいにしか存在しない珍しいくらいの苦学生デシタ。
なにせ学費を自分で稼がねばならないレベルだったので、バイト代すらない。
女の子たちには人間扱いされず、毎週開かれていた合コンなるものにも呼ばれたことがない。
周りが豊かな中の貧乏というものは想像を絶するくらいキビシイもので、バブルと聞くといまだに心に暗い闇のような感情が湧いてくるのであった。
GAGはそんな情けない状態の若いころの自分が羨望の眼差しで眺めていたバイクだった。


スズキさんの東京のバイク正規店は南葛西にあり、ウチのすぐ近所。
ここに奇跡的な一台が入った。
雨の降る中、居ても立っても居られない気持ちで見に行った。
たったの165Kmしか走っていない。
エッジが立ったままひび割れたタイヤ。使用感の無いシート。走行距離を改ざんされたワケではない正真正銘の165Km。
ヘタったバッテリーであるにも関わらず一発始動。
必死に訴えかけるようなアイドリング。
即、購入を決めてしまった。


三十年間、走ることを夢見て待っていたんだね。

ぼうたん十周年

房総単機旅団の結成が2007年ですから、早いものでもう十年。
翌2008年には房総半島一周を成功させました。
アラフォーオヤジがいい歳して原付で冒険かいwなんて言っていましたらあっという間にアラフィフに…。
わずか十年ですが、メンバーの皆さんには自分も含めていろいろなことがありました。
四名のうち半分は既にバイク無し。
それでも解散はいたしません。ぼうたんは残します。


とりあえず、11/2に集まって、祝杯をあげましょう。
久しぶりに会うメンバーもいるので楽しみです。


個人的には一身上の都合で最近またバイクのヒトです。
新しい報告も近日中にできると思います。


もう十年なんだなあ(しみじみ)。

江戸サイ90Km走行

ここのところ鬱々していたので、三ヶ月ぶりにロードで走ることにした。
昨日は休日出社。体力的には疲労困憊。
しかし、休養しても、飲んで愚痴っても、そんなものでは欝な状態は解消できない(自分的には)。
禅寺にわざわざ修行に行くのに似ているのかも?
とにかく、自分でなんとかするしかないので走りに行った。


本日の江戸サイは曇っていて気温はそこまで高くもなく、風も弱めの絶好のコンディション。
さすがに早起きはできなかったので遅めのスタートになった。四時半までに帰らなければならないので、制限時間内走行だ。
20kmほど走っただけで、このコースに助けられ始める。思えば二年前は毎週走れていたのだ。あれは実はとても貴重な時間だったのだ。
江戸サイはやはり素晴らしい。汗をかき、漕げば漕ぐほどに生命力が戻るのを感じることができる。
いつの間にか夏になり、江戸川は濃緑色。生命が溢れている色だ。東京方面から吹く風で千葉側は涼しい。アザミの花が咲き乱れている。
鈍っている身体が悲鳴を上げる。無視してどんどん走る。35km地点で雨が降り出す。むしろ気持ちが良い。
スピーカーを雨から庇って小休止しているとほんの5分ほどで雨は上がり、晴天に。
雲間から差し込む日差しがきらめいて美しい。
日焼け止めを塗ってこなかったことに気付いた。今日は焼けそうだ。
100km走ろうと思ったが、時間切れで45km地点で引き返すことに。途中、いつもの公園で休みながら今更ながらふと気付く。
ロード、異様に少なくないか?
走ってはいるのだが、二年前には十倍はいたと思うのだが?
今日はコンディション的には理想的で、ロード乗りが逃すとは思えない。三連休の真ん中だからということを考慮しても少ない。
そういえばウジャウジャいた大学の「弱虫ペダル」サークルが全く存在しない。
ブームが去ったのか?確かに乗ってみて、リタイヤするなら一年そこそこだし。まー鬱陶しくないのは歓迎だ。


三ヶ月ぶりの90Kmはかなり効いた。ガタガタだ。
しかし、身体のダメージとは逆に、心は前向きに回復していた。
走っている間はなぜかポジティブだ。
自然の中に身を置いたからか?身体を思い切り動かしたからか?走る楽しさを満喫したからか?
陰で非難する奴、中傷する奴、足を掬う機会を窺う奴、そんな奴ら等に阻止されてたまるかい。
前へ進むのだ。もっともっと前へ。


ロードにまた救われた。

トココのウインク

恐ろしいほどに久しぶりにモトコンポについて。


トココはまーまー頑張って走ってくれるのだけれど、ウインカーの点滅が今一つよろしくない。
バッテリーも寿命だし、取り替えれば直るかな?などと甘い考えを抱きつつネットでモトコンポにつけられる6Vを探してみた。
純正も存在するけれど、えらく高価(←当たり前!)なんでパス。
しかし、MAID IN CHINA の形が良く似たバッテリーを発見。しかも三千円しない。
一応、モトコンポ適用として売られているようだ。
これを取り付けてみることにした。でも、それだけではNGのようだと判明。
バッテリーを探してネットを彷徨っていると、モトコンポはリレーが弱く、これが故障するとウインクしなくなるらしいという多くの方の記述に出会う。
試しにサイドカバーを外してみると、初期状態としか思えない古いリレーが装着されている…これもこの際交換しよう。
幸い6V用のリレーは六百円そこそこと安価なので、一つ予備として二つ購入。


連休の真ん中の本日、強風に邪魔されながら交換作業を実行。
まず、バッテリーに希塩酸を注入。百均で「薬品に強い」と謳われていた厚手のビニール手袋をはめて行う(絶対に素手はNG)。
希塩酸はそこそこ余るようになっているので容器のまま保存。開放型バッテリーは液が減少していくので、補充用とできるかも?
バッテリーはいきなり装着せずに、一時間以上時間を置いた方が良いとのことなので、その間に昼メシなんかをとる。
午後、いよいよトココを車庫から出してサイドカバーを外す。
まず、バッテリーから交換しよう。
北海道のバイク屋さんがつけてくれたバッテリーはユアサ製なんだけれど、よくこんなデカいバッテリーがついたな?と思いつつ外してみると……フレームを壊して無理やり入れてるよ。
他にも雑だったり故意に不具合を隠していたりしての納品で、だいぶんこちらで手を入れることになったんだけど、こんなことならバッテリーも自分でやれば良かったよ。
と、愚痴りつつも現状より壊さないように気を付けてバッテリーを装着。コード関係は今まで何度か追加充電をしていたので、難なく間違えずに接続。
液が外に流れるようにビニールのパイプをつけて完了。
次にリレーを交換する。
バッテリーもリレーも左側にあるので、サイドカバーは一枚外すだけで作業可能。
モトコンポのリレーはコードを差し込んでゴムの輪にはめられているだけだった。
ボルトの一本も存在しないので、作業は素手で、ほんの一分ほどで終了。これは誰がやっても同じだと思う。
ゴムの輪から外す、コード二本を引きちぎらないように根元をつかんで引き抜く、新しいリレーに同じようにコードを差してゴムの輪にはめ直す。これだけ。
サイドカバーを外した状態でキーを回してONしてみると…バッテリーランプは赤く元気に点灯!
続いて問題のウインカーを作動させてみると…ウチに来て一度も無かったくらい元気にカッコンカッコン音を立てて点滅!
トココ復活(泣)!


その後、近所をぐるぐると試運転してみたが、とても調子が良くてうれしい。
エンジンも何度かけても一発始動だし。
これで交差点で後ろにパトカーにつかれても焦らずにすむね、トココ!w



旧ユアサのバッテリー


新バッテリー


バッテリー液は余ります


リレーの位置はココ


リレーは差し込んてゴムの輪にはめるだけ


リレー交換(上は古いリレー)

ロード復活

天気もよく昨日荒れ狂っていた風も止んだようなので、一年ぶりにロードで走ってみる。
江戸川区に移ったので、新中川、旧江戸川を経由して江戸サイにアクセス。
ウチの裏が新中川なので、一般道をほぼ走らずにサイクリングロードに接続できるのはありがたい。
このブランクを抱えてどれほど走れるのか?と恐れるも、意外と走れている?
実はFIATで走るのって、スゲーたいへんなことだったんじゃね?
ありがとうFIAT、君のおかげで完全に脚が死なずに済んだよ!


江戸サイ東京都側は工事をしていて、より迂回の昇り降りが増えていたが、難なくパス。
葛飾橋を渡って千葉県側に。
菜の花の季節は終わってしまい、いまはレンゲソウが赤い花をつけていた。
時々、曇って風は涼しくとても走り易い。
しかし、20Kmを過ぎたあたりから走り易くなり過ぎていることに気付く。
南風が吹き始めている…しかもどんどん強くなっている!
こりゃ帰りは地獄を見るぞ…。
既に擦れ違う東京湾方面に向かわれている方々は悪戦苦闘をされている御様子…。


引き返すかどうか悩んだが、いつものキッコーマン野田工場先の公園まで走ってみることにした。
ベンチに座りながら、近所の自販機で入手した一番甘いコーヒーを飲む。
一年前もここでこうやってヒバリの鳴き声を聞きながらぼんやりと空を眺めたもんだけど、あの時と今の自分ではあまりにも境遇が変わってしまったもんだ。
うひー、風が強くなってきやがった!
這う這うの体で引き返すことに。


帰路は期待に違わず押し戻されるほどの強風。す、進まない。
しかし、ふと気付くと逆風の中を楽しく走っている自分も存在することに驚く。
大丈夫かな…また走っていけそうだな。


あと10Kmが辛い。
風圧による負荷が大きいために痛めた両膝にダメージが溜まっている。右の足首が痛い。
余計な肉がついたのと、必要な筋肉が落ちたことによりペダリングが悪くなったのだろう。
走っていれば徐々にこれらは解消されていくはずだ。
新中川の橋を巻く昇り降りを繰り返し、なんとか帰還。
チェーンを磨き、歯車を磨き、タイヤを磨いた。
走行距離はぴったり80Km。
本八幡スタートでは70kmだったので、なかなか良い距離になったものだ。


再び走ろう(ついでに痩せよう)!

やっぱりロードは良い

三月、四月と花粉の猛威に弄ばれながらもFIATで走りまくり、間もなく五月という今日この頃。
半地下の駐車スペースを占拠していた妹の古いベッドを廃棄して、出来た隙間にうまくバイクを収めることに成功。
昨日の土曜日にapeのfujikoもモトコンポのトココも引っ張り出してきて磨き、エンジンをかけてコンディションを整えた。
とくにfujikoにはクルマのマチコに入れるエンジン洗浄剤と水抜き剤をちょこっとずつ入れたので、エンジンの調子が上がったもよう。
2サイクルのトココには残念ながら入れてあげられない。
マチコもそうだけれど、洗浄剤を入れるとエンジンが別物のように快調になる。
連休にでも遠出できると良いのだけれど。
そして、更に余ったスペースに、ロードバイクを置くことにした。
三階で埃に埋もれていたロードを一階まで下ろし、雑巾で上から下まで磨き上げる。
ホイールも丁寧に磨き、チェーンにはオイルを注して磨く。
タイヤに空気を入れて、サイコンの電池を交換する。
一年ぶりに置物から自転車に復活した。
せっかくなので、軽くその辺を走ってみる。
最高だ。やっぱりロードは良い。
FIATに慣れてしまったせいか異様に速く感じる。
あちこちガタガタしているのを思い出し、少しびっくりする。
ロードも連休に走れたら良いなと思う。
今年は銚子に行きたいな。