来た、見た、乗った!(寒かった!

長らく、そう、昨年の夏から、本当に長らくたってしまったのだけど、ついに納車と相成りました。ものすごく長かったような、それとも短かったような、振り返ると、時間なんてあてにならないね。

かみさんとの単車購入交渉をゲリラ戦のように展開しているのだが、「じゃあ次に昇進したらね♪」とか恐ろしいことをおっしゃるので、なかなか大変なのだ。

そうそう、こんなことを言っていたんだ。実際、4月1日をもって課長になることになってしまった。管理職だなんてまったく持って柄でもなくて、今もって誰かに管理してほしい僕なのだけど、とりあえず、バイク購入の資格はできたという、人生の悲喜こもごもというか、人生の引きこもりごもっともというか、ごもっともじゃないか。とにかく、確実に時間は過ぎて、僕は管理職になるし、バイクを手に入れることができた。
3月20日、本日、予定通りHONDA CL50、納車されました。では、以下そのレポート。


グローブ

それではまずこちらグローブから。今日納車ということで、まだグローブを入手していなかったので急遽導入しました。
当初、アウトドア用の皮手袋を購入するつもりで、おととい新宿のSRCまで言ってきたのだけど、これが手のひらは皮が2重になっているのに甲は1枚でいささか強度に不安、というか、FUJIKOSKYにしっかりしたものでないと危ないとアドバイスされていたので、買う寸前になって不安になったしまったのだ。多分、話を聞いていなければ、これを買っていたと思う。
しかし臆病者の自分、いろいろ不安になってしまって、購入を断念。そして昨日、会社を定時でひけて世田谷のナップスへ。FUJIKOSKYが一緒についてきてくれたので、延々と相談しながら迷った末に上のグローブを購入しました。3000円強で、甲はそれほどの強度はないのだけど、これで十分というFUJIKOSKYの言葉もあって決定。こうしてみると、かっこいいね。はめた感じもなかなかすっきりしています。


三点セット

そしてこの3点セット。ゴーグルはWEB初公開? なかなかかっちょいいでしょ。


ステッカー拡大、やっぱりミシュランでしょう!

ヘルメットには昨日買ったミシュランのステッカ。やっぱりミシュランだよね。いずれタイヤを履きかえるときは(サイズがあれば)迷わずミシュランを履くね。ミシュランのステッカの下にあるのはゴーグルについてきたステッカ。これもかっこいい。この歳になってまだ、ステッカ大好き。まだ右側が空いているけど、こちらにはぼうたんのステッカを作成して貼りたいと思っている。
さて、予告では今日12時から14時の間に配送されるということで、朝ちょっと出かけた後は自宅でだらだら待機をしていた。12時近くなってそろそろ食事をしなくては、と思っていたら店から電話があり、これから配送するという。店は藤沢の善行駅近くなので、1時間近くかかるはず。先ほどまで聞いていたラジオでも、今日は道が混雑しているということだったので、多少の余裕があるはず。
ということで、昼食にオープンサンドを用意して子供たちと食べる。朝買ってきた焼き立てのバゲットに、レタスと、ハム、チーズ。それと成田の農場から届いた新鮮な卵。まるでトレンディ(死語?)小説のような内容の食事を摂って、コーヒーを飲んでいたら窓外に車の気配。いよいよ到着したようだ。
呼び鈴に答えて玄関を開けると、そこにはトランポとCL50が! おお、雨にぬれてシルバーが映える(すでに親馬鹿状態)!


トランポからおろされる鞠号

早速トランポから降ろしてもらい、そのまま庭といか家の前の車の横に停めてもらう。そのまま簡単な説明を受けた。イグニッションの位置、チョークの位置と操作、キックの仕方。タンクには3リットルガスが入っていること。納車整備で一通りへたったパーツを交換してある旨。保障は3ヶ月または3000km。3000kmって、いつごろ達成するのかな。


ようこそ

ちょっとタンクが露出オーバだけど、全体こんな感じのバイク。うーん、写真より実車は50倍いいんですが、まぁ、僕の写真の腕の問題だね。あっさりした写真ですが、こんな感じ。アップタイプのマフラとマフラガードが一番の特徴かな。フレームは赤ヴァージョンが有名らしいんだけど、こいつは黒。実用車をつい思い出しちゃうけど、実車はかっちょいいんだよ。銀が映えるね。


CL50

このように、車名はCL50、ベンリィ一族の変り種。


伝統の横置きエンジン

エンジンはカブやモンキーなどに連なる伝統の横置きエンジン。フィンのパターンが実にいいですね。こう、メカニカルでやる気をださせるというか。


納車時走行距離5353.7km

納車時の走行距離は5353.7kmでした。ここからどれだけ歴史を刻めるのかな。楽しみだね。メーターパネルがいい感じ。ニュートラル及び方向指示器の警告灯が付いています。この後、ニュートラル・ランプにはさんざ世話になることに。


ブロックタイヤ、そしてスポーク仕様

なんちゃってとはいえスクランブラー。ホイールはスポーク仕様です。しかもノーマルのベンリィよりも本数が多い! この辺の凝り方に共感しますね。ブレーキは前後輪ともにドラムブレーキだけど、多分十分。ドラムで物足りなくなったときは、きっとステップアップを目指しているだろうし。MTBのタイヤのようなブロックタイヤもまた雰囲気を作るのに役立っていますね。


ハンドルはアップタイプ、スタビライザ付き

そしてお約束のアップタイプハンドル。スビライザも(役に立つのか分からないけど)しっかり装備。やっぱりスイスに向かって国境を越えるには、こういう演出がないと。鉄条網を越える気にならないからね。
ちなみにジェットヘルにゴーグルって、そう、マックィーンのバイクのスタイルなんだよね。彼は本当にかっこよかったなぁ。あれだけバイクが似合う俳優ってそうそういない。飄々としていて、どこかチャーミングで、遠くを見るような目付きで、骨の太さも感じて。
ということで、お店でCL50を見た瞬間にぐっと来てしまったわけだけど、ついに実車まで届いてしまった。なんか、夢のようです。

ニーグリップを意識したパッド付き、実際に役にたつ

タンクには膝のあたる部分にゴムの滑り止めが付いています。これ、飾りでなくて、ちゃんと役に立つことがすぐに分かります。ベンリィ諸兄のタンクに比べるとCD50のタンクは扁平な形をしていて、ニーグリップをするには有利な形になっている(タンクはダミータンクで、実際はさらに小さなタンクが中に入っている)。そこにさらにこのゴムパッドがあることで、原付ながらしっかりと車体をホールドできるのだ。なかなかに便利ですよこれ。


チェーンカバーはない

チェーンカバーはありません。しっかりと非実用車であることをアピールしておかないと。


フューエルフィルタとチョーク

エンジンからエアフィルタに伸びる経路に、フューエルフィルタとチョークが装備されている。チョークはオン・オフの二値式。エンジンが冷えている時期には開けてエンジンを始動してねということだけど、今日は閉じたままでもエンジン始動できたな。もう少し寒い時期なのかな? それとも、多少エンジンかけないと、必要になるのかな?


マフラー後部。マフラーはアップタイプ


キックペダル。セルはない

マフラーとキックペダル。FUJIKOSKYが泣いて喜びそうだけど、セルなしキック始動な仕様。キックは恐ろしく軽くて、エンジンもさくっと始動する。あまりにもさくっとかかるあたりが、実用車としての出自を雄弁に物語っているけど、これは利点。素敵なことですよ。さらっとエンジンかかるのは。
下の写真もエンジン周りで、マフラーのガードがいい感じだね。これすぐに錆そうで怖いですよ。ピカール用意しておかないといかんな。


クラシックなマフラーガード

納車後すぐにぐるりと写真を撮りまくって、さて、と息をついてから、やっぱり我慢できずにエンジンをかけてしまった。ちょうど雨も小降りになっていて、乗れそうな雰囲気だったのね。デニムのシャツにパーカを羽織って、その上から山用のジャケットを着て、ヘルメットを装備。手袋をはめて、まずエンジンの始動から。ニュートラルにギアが入っているかを見て、キック。最初の数回は、キック後のアクセル開度が良く分からずすぐにストールしたけど、だんだん分かってきた。少し暖気をしてから、家の前の道にバックでよちよちと単車を出す。
僕の家の前は、表の道から路地に入ったその路地で、基本的に車の出入りは一日に数回しかないようなところ。初めての始動練習をするにはうってつけと言えるのではないだろうか。1速に入れて、アクセルを開きつつ、クラッチをつなぐ。一番最初は思ったより簡単に走り出してしまった。おおおお! とか言いながら、数メートル走ってUターン。つなごうとしてストール。ニュートラルに入れてキックしてまたスタートして、と数メートルを往復しつつ様子をだんだんつかんでいった。FUJIKOSKYのAPEはクラッチを切っていてもキックでエンジン始動できるようだが、僕のCL50はニュートラルでクラッチを繋いでいないとキックしてもエンジンがかからない。これはミッションの構造の違い(APEはリターン式、CL50はロータリー式)なのだろうか。
少し慣れたところで2速に入れつつもう少し走ってみる。傘を持って見学に出てきた娘が後ろを着いてくる。なにせ怖いのでのろのろ走っているのだ。表の道まで10数メートルを、また何度も往復してみる。
そのうちそれにも飽きて、表の道に出てみた。瑞泉寺までの道のりを走ってみる。山門の手前でギアチェンジして減速しないと坂を上れないのだが、このギアチェンジがうまくできない。最初のうちは坂の手前で停止して減速したりしてみていた。
こんな具合にだんだん距離を伸ばして、瑞泉寺脇の団地をまわって戻り、家の前を過ぎて通玄橋を渡って右折して緑園団地の先までいくコースにして、これも数往復。減速がやっぱり難しい。ロータリー式なんだけど、後々のことを考えて、かかとで踏んで減速するのは避けてつま先でレバーを上げて減速するようにしてみていた。要はエンジンの回転数を合わせればいいのだけど、車では簡単にやっていたことがなかなかできない。右手でアクセルを操作しつつブレーキも、そしてそこに左手のクラッチと左足のギアとって考えているとうまく動かない。このあたりはどんどん乗って、身体化して頭と身体に回路を作らないと難しい部分だから、致し方ない。
行ったりきたりしているうちに少しずつアクセルも開けられるようになって、見通しの良いところではトップで30km/hまで出せるようになって来た。そうは言っても、ブレーキ操作がおぼつかないし、おそらく急制動ができないから、とにかく遠くまで見えるところでしかアクセルは開けられない。でも、アクセルを開けたときのドライブ感をなんとなく体感できただけでも大きな収穫。
走行しているうちに、雨脚が強くなってきて身体がどんどん冷えてきた。雨具ではないので、曲げたひじの辺りから浸水している気配もある。これ以上は体力気力低下して危険と判断して家に戻った。


けっこう走っていた

メータを見てみると、なんといつの間にか10.5kmも走っていた。結構動くものなんだ。強張った身体でざっと車体をぬぐいつつカバーをかけ、柱にワイヤ錠を絡めて鍵をかけた。ふう。寒さで身体が硬い。家に飛び込んで衣類を洗濯に出し、長々とシャワーを浴びた。いやいや、楽しくなるぞ。


カバーをかけて収納。晴れたらもう一度拭かないと

そんなこんなで、初走行は転倒などもなくつつがなく終了した。大体このような具合かということが分かったし、今後の練習の量もなんとなく見当が付いたように思う。後は、とにかく時間を作って乗ることだな。いろいろとまだ課題もあるけど、とにかく乗って、走れただけでも嬉しい。初めてのことを自分でこなせたことに嬉しくなる。


走行終了

この後、かみさんにお願いして、納車記念自宅飲酒を許してもらった。いま、酔ってふらふらしながらこの日記を書いている。
雨で散々な一日だったけど、観光客もいないし車も少なくて、乗り出しの練習には実はなかなか向いていたようにも思う。単車が来たことだけでも嬉しいのに、乗ることもできて満足した。これから研鑽を積んで、9月のツーリングを目指す。怪我なく事故なくがんばって行きたいな。とりあえず、仕事どころじゃありませんね(働きますけどね)。

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