霞ヶ浦日帰りで一周

三連休なので一泊してゆっくりとも思ったのだけれど、日帰りで一周って可能なのだろうか?そして潮来駅を起点とした一周の正確な距離って実際は何Kmなのだろうか?という疑問を解決したいという願望の方が勝り、挑戦してみることにした。
恐らくは今年最後の遠出になるのではないかと。思えば計画する度に天候不良などで断念し続けてきた霞ヶ浦一日で一周計画。漸く実現か?


金曜日に会が入っていたので翌日の早起きはキツそうだ。ということで、土曜日は準備にあてた。ロードは輪行バッグにパッケージしてしまい、駅まで担いでいくことに。
日曜日、四時起きで準備を整えると京成八幡までロードを担いで運ぶ。五時過ぎの電車に乗るが、ほぼ満席。成田まであと三駅くらいのところでやっと座ることが出来る。
京成成田からは一度外に出て、JR成田までまた担いでロードを運ぶ。ここからは成田線銚子行きに乗り換えて佐原を目指す。成田駅で少し待つが、まだ暗く、寒い。概ね六時半くらい。
成田線は空いており、余裕で座ることが出来た。助かる。この電車の中で日の出を迎えた。田畑をオレンジ色に染める光景は美しかったが、撮影を忘れてしまった…。
佐原に近づくにつれ、だんだんと乗客が増えていった。ほとんどが高校生のようだ。この高校生がまさかの活躍をする。
佐原からは鹿島線鹿島神宮行きに乗り換えるのだが、その乗り換え時間が僅か三分しかない。急げば間に合うのだが、高校生はほぼこの駅で下車。ダベリながら通路をふさいでゆっくりと進む…。まさかの乗り換え失敗!
困ったぞ、ここから走るかと一度駅の外に出るが、やほー路線情報には出てこない電車があることに気付き、またそのまま駅に戻った。
これに気付けたのは幸いだった。ガラ空きの電車で八時少し前に潮来に到着。ほぼ計画通りの進行になった。


駅前は誰もいなくて、ベンチを占領して慎重にロードを組み上げることが出来た。天気はとても良い。日差しの援護が期待できそうだ。
走り出しは八時十分。今回のコースは西側を北上して、霞ヶ浦大橋を渡り東側を南下し一周するという設定。大橋から北側は未舗装路があるためにパス。目標時間は十五時潮来駅着。なぜなら一本きりの成田直通の鹿島線に乗れるため。
時間的な縛りまでつけてしまって大丈夫か?己にプレッシャーをかけ過ぎだと思いつつも県道11号から連なる橋を渡って西側へ。そしてサイクリングロードに入る。
霞ヶ浦サイクリングロードは遠くまで見渡せることが魅力の一つだと思う。自分が走った道では、広い世界を走行しているという感覚が味わえるのはここだけかもしれない。
寒いので焦らずに、自然に速度が上がっていくのに任せる。何Km走れば終点なのかも判っていないので、余力は残しておきたい。しかし、時間の制約があるのでノンビリともいかない!
51号をくぐり、稲敷大橋を渡った辺りで前回クロスで半周した際に大きく道を違えていたことに気付く…。
北上する、というよりは西に向かって走っているカンジなのだが、まだこの辺りは湖の大きさよりも左手の緑の濃さ多さの印象の方が強いかな。
20kmほども走ると道幅が広くなり…これが霞ヶ浦サイクリングロードの最大の困った点だと思うのだけれど、自動車が走るようになるのであった。
地元の方にとっては便利な道なのだと思う。あくまで補助的に通行するという位置づけらしく、中央のラインも速度表示も存在しない。だからといって、制限速度が無いというワケでは無いはずだ。
しかし実際にはとんでも無い速度で、道幅全部使って走行してくる車がいるのだ。この日は三回ほど道から外れて回避しなければならないという事態に遭遇した。サイクリングロードだと主張したい。弱い順に優先。歩行者、自転車、内燃機関の順番!
また、三連休ともあって、釣り人の皆さんも大勢いらしていて…路駐だらけなのだった。全体的にでは無いのだけれど、釣りスポット的な場所は道の両側に路駐され、さらに走行する車もいてで自転車はとても危険。何か所かなので我慢するしかないのかな〜
そういった障害物を避けつつも、まあ順調に走行。40Km辺りでふと気付く。擦れ違うロードは時々あるのだけれど、抜いて行くロードは皆無だ。俺っちの速力がレベルアップしたから?まさかそんなことは有り得ず、緩い向かい風に逆らって走行しているからだと今更得心するのであった。もう遅い。
どうやら走り慣れている皆さんは、土浦スタートで南下して、距離的に圧倒的に長い方を追い風で走り、東側の短い区間を向かい風と戦うというコース設定らしい。
ここまで来たら走り勝つしか道は無い!


霞ヶ浦の西の端に位置する土浦の手前には、自衛隊の施設が二つほど存在する。ここはどちらも迂回して一般道を走らねばならないのだが、せめて標識なり何なりで案内をしてあげて欲しい。前回困ったが、今回もそのままで、初めての方とか迷うのではなかろうか?それとも自衛隊的に道案内はまずいことなんだろうか?
などと考えつつ、ここを迂回すると土浦まではもうほんの少しの距離だ。
強制的に一般道に放り出されたり、風車の横を走ったりで、土浦に到達。概ね60Kmくらい。街中を大型トラックに怯えつつ一挙に通過。時間制限があるのでお店に寄ったりもパス!
再びサイクリングロードに戻るのだけれど、ここがまた初心者泣かせになっている。どこから戻れば良いのかが非常に判り難いと、自分は思う。
土浦駅を左手に見ながら大通りを直進して、橋を渡ったらその次の交差点の一つ先の小道に右折して入ると良いかな(交差点で道を渡り、その道まで自転車を押して歩くのが一番簡単)。
その道を進むとまた橋を渡ることになり、その少し先で右側にサイクリングロードが見えるようになるので、注意しつつゆっくりと走ると良いかと。ここまで標識など一切無し。
この先は迷うようなポイントは一切無いハズ。
というワケであとはゴールまでひたすら走るのみだと思ったところで十二時。道端でアンパンを食することに。トンビに警戒しつつ休息していると、俄かに風が強まってきた…。
ここから地獄の走行が始まるのであった!


霞ヶ浦大橋の東側にはポートタワーが建っている。これが見えれば橋は間近ということになる。土浦から北東に向かって走行することになるのだけれど、先ほどまでは北西から緩く吹いていた風が、午後になった途端に強烈な北東からの風に変わってしまった。
押し戻されるほどの風だった。速度が上がらないどころではない。ギアを緩くして回しても、時速13Kmほどしか出ない。電車に間に合わないぞ!
ポートタワーが早く見えてほしいと願いつつ、ノロノロと走行。70Km越えてからでは体力的にも辛い風だ。
一方、擦れ違うロードは尋常とは思えない速度を出して走ってくる。挨拶も間に合わないほどだった。
苦闘すること一時間半。やっとで霞ヶ浦大橋に到達する。ポートタワーは直前まで視界に入らず、心が折れそうだった…。


橋を渡ったところにある公園で一休み。ここからは、ほぼ追い風走行だぞっと。
時刻は一時半。南下し始めると、疲れているにもかかわらず、軽く時速30Kmを超える。風ってあらためて凄いね!
こちらは快適に距離を稼ぐのだけれど、当たり前だが行き違うロードの皆さんは苦しそうだ!立場が入れ替わってしまった。
でもこちら側は短いので頑張ってくださいなどと余裕をカマシテいたらば、本当にあっと言う間に潮来まで戻ってきてしまった。
駅の手前のセブンイレブンでパンを買って食べながら時計を見ると、二時四十分。余裕で間に合った〜


一周の距離は、自分のサイコンでは105Kmだった。
136Kmから100Kmまで諸説あったのだけれど、自分的には走れない距離ではないことがわかって満足。
電車にも無事に乗ることが出来て、日没くらいには帰ることができた。
しかし、あらためて思った。反省した。
楽しくないのだ。寄り道も一切なく、ゆっくりと風景を見る暇もなく、そして時間に追われるプレッシャー。
確かにかかった費用は電車代くらいだし、費やした時間も最小限かもしれない。
でもこんなものは旅とは呼べないであろう。


次回は安い宿でもよいから一泊するようにして、ゆっくりと霞ヶ浦を楽しむようにしよう。
一日で一周、電車で帰って来るという目標は達成できたが、多分、もう二度目は無いだろう。
やっぱり旅は楽しくなくちゃね!