房総半島一周の旅・三日目

[FUJIKOSKY]朝

夜が明けて間もなく目が覚めました。遊んでいる時の朝は自然に早起きしてしまうものですね。まだ眠っている二人を起こさないようにそっとベランダに出てみると、眼前には九十九里の海が広がっていました。昨晩は月も無く文字通りに真っ暗で、閑散とした建物はおっかねえという印象でしたが、一晩明けて海を見下ろせるようになるとこの宿のスバラシサに気付きました。夜にはまるで廃墟に潜入しているような、または他人の住居に勝手に押し入っているような感覚だったのですけれど。これは一泊5000円は安いなあ。なるほどこれはリゾートマンションだわ。
二人が寝坊をしているワケではなく、勝手に自分が早起きをしたので、起こさないようにそっと顔を洗って髭を剃りました。特に萌乃誉は一昨日まで仕事で、ほとんど寝る時間もなく駆けつけてくれたので、もう少し寝ていてもらいましょう。洗濯したシャツ類をベランダの日の当たる場所に移動させて、一人海の撮影をして待ちました。

[FUJIKOSKY]朝食

とはいえチェックアウトの時間もありますし、遊ぶ時間も減ってしまいますので、萌乃誉がごそごそと起き出したトコロでドラゴンコークを揺さぶり起こしました。一階にある品揃えも価格設定もちょっと変な自販機でコーヒーを購入(ここで昨晩萌乃誉からマキアゲタ小銭を一部還元)、スーパーで買っておいたパンで朝食としました。旅の朝の定番メニューではありますが、三人いるとそれだけでも楽しいものです。この日はややゆっくりめな出発となりました。

[FUJIKOSKY]出発

今日は快晴です。三日目にして一番天候に恵まれた一日になりそうです。駐車場で三台並べて記念撮影!昨日の泥ドロ走行でそれぞれに迫力が出ています…。走行順は、ドラゴンコーク、FUJIKOSKY、萌乃誉の順です。ほぼ九十九里をまっすぐ北上するので、千葉未経験のドラゴンコークでも大丈夫だと判断しました。なんといっても先頭は気持ちの良いものですからね。海を意識しつつ発進。今日、最初の目的地は天然モノの蛤(ハマグリ)の網焼きが食べられる「ばんや」(また「ばんや」だね)です。30号、九十九里ビーチラインを走ります。萌乃誉が根性で持参してくれたパソで確認したところ、九十九里道路(有料道路)の「不動堂IC」脇辺り、進行方向に向かって左側に店はあるようです。30号はビーチラインという名のワリにはほとんど海は見えません。途中、海沿いを走りたいという願望から何度か右折をしましたが、なかなか良いスポットがなく、諦めて真っ直ぐ走りました。そして10時半頃、目標の不動堂の信号が。しかし、左側にそれらしいお店は見つけられません。少し走ってから路肩に停車、こりゃおかしいということで意見が合い、信号まで戻って右折してみることに。右折しつつ、何気なく左側に視線をやると、なんと「ばんや」の看板が!慌ててクラクションを鳴らしてUターン(この辺りバイクは便利だよね)、第一の目的地にうだうだで到着しました。ネットの地図が少し間違っていたワケで、千葉ではよくあることです。「ばんや」に行かれる皆さま、「不動堂」の信号を(銚子に向かって)右折してくださいませ。

[ドラゴンコーク]九十九里を先導

FUJIKOSKYの書き込みにもあったように、この日は一宮〜九十九里浜北上のパートを先導仕りました。確かに千葉未経験の自分でも大丈夫な簡単ルートではありましたが、途中海に出ようとして(九十九里に沿って北上と言っても、30号線は海岸沿いに通っている訳ではない)うまく出られなかったり、「ばんや」の場所がわからなかったりと多少のミスと例によって眠気に襲われる瞬間もあり。という感じで相変わらず精彩に欠ける走行ではありました。

[FUJIKOSKY]天然モノの蛤の網焼き

いよいよで蛤を堪能できる瞬間が!やはりここは天然モノを。1キロあたり大玉5個、中玉12個とあります。見栄えは大玉ですが味は中玉というのが定番なので、素直に中玉にしました。値段が決して安くは無いので、ビビって1キロのみ購入。一人あたり4個という、味見?試食?モードです。しかし、運ばれてきた蛤はとても大きくて、これで中玉かと驚きました。早速、網に並べて焼き始めました。席が網から離れていたので、二人に焼いてもらって自分はただ食べるだけ(笑)。蛤は生でも食べられるので、あまり長時間は焼かないそうです。口を開いたら、お店特製のタレを垂らして、即、出来上がり。焦っている萌乃誉が床に転がす転がす(良い思い出ができたね)。味は期待通りの一言です。旨みの塊ですよ、これは。軟らかい身を噛むと、じわっと旨い汁が染み出してきて…(あ〜、ビールが飲みたい)。一人で1キロ食べたいくらいですが、その金額でさんざん飲み食いできちゃいますね。このくらいが適量なのかもしれません。
余談ですが、ここで半端分の支払いをして、マキアゲタ小銭の萌乃誉への還元は終了しました(笑)。

[FUJIKOSKY]再びビーチライン

極上の味覚に満足しつつ、再び30号を北上、銚子を目指します。走行の順番はそのままで。ここからは完全に海岸からは離れてしまって、海沿いを走っているという感覚はなく、どちらかというと町中をというカンジでしょうか。道もだんだん狭くなってきたので、クルマや歩行者(歩道が無いので)に注意しつつ進みます。野栄町に到達すると、そこから先は昨年の10月に初めて銚子に来た際に走った道となります。なんとなく見覚えがあるような無いような。あの時は大冒険をした気分になったものです。そして更に飯岡町に入って少し走ると確か…ありました!萩園海水浴場です。海が見えたので、ドラゴンコークは迷わずに進入。やはり同じ場所で同じ行動になるものなんですね。

[FUJIKOSKY]夢の試乗会

空も海も青一色。まるで作ったかのような理想的な青色です。ポケットビスケッツつーユニット(で良いのか?)の歌の歌詞にありましたが、空と海の境界線が交わってしまうくらいの青色でした。ココロの洗濯だ…。我々三人はしばしバイクは放置したママでこの景観を楽しみました。波間にはサーファーの方々が浮いております。波打ち際には千鳥の群れが波に合わせて行ったり来たりをしております。どこを撮影しても美しい画像になります。来て良かった(と、恐らく二人も思ったであろう)。
さて、満足するまで海を眺めたトコロで、九十九里の広い砂浜を使って、それぞれの愛車に試乗をしてみることにしました。30メートルくらいの円を描いて回れるくらいのスペースがありましたし、砂はクルマに踏み固められておりましたので楽しく乗ることができました。各自の感想があると思いますが、ここではまず自分の感想を。萌乃誉の(歪んだw)鞠号ことCL50。ずばり、砂地等のオフロードにはこの車体で行きたいものだと思いました。サスペンションに余裕があって、車高も高いので、荒地での操作に向いているように思えました。タイヤも良いのを履いていますしね。クラッチレバーはApeに比べると相当に軽くて、半クラのタイミング合わせに慎重になってしまいましたよ。これは左手は楽ですね。ギア・チェンジも素直でストレスなくできました。優秀です。ただ、ロータリー初体験だったために、今ドコのギアに入っているのかが怪しくなってしまって、ニュートラルを探して行ったり来たりしてしまいました。慣れればなんでもなくなるんでしょうけれども。次にドラゴンコークのドラゴントゥデイ号。接地感がかなり希薄です。フワフワと浮かんで進んでいるような不思議な走行感覚です。そういうサスの設定になっているのでしょうけれど、アクセルを捻るだけで浮くように進み、シートもこれまたふわっと快適だったりします。なるほど!これでは走行中に眠くなってしまうワケだ!本人がウマイ表現をしておりますが、確かに「魔法の椅子」と呼ぶに相応しいですね。町中ではこの設定が快適だと思います。構えることなく、毎日でも気軽に乗れそうですし、バイクの一つの完成形ではないでしょうか?三台を比較すると、自分のFUJIKOことApeが一番クセが強いかもしれないと…。ううむ、慣れているので感じませんが、ドラゴンコークがギアを戻せずにエンストしたりしていましたしね…。

[ドラゴンコーク]九十九里を先導(その2)

九十九里浜に来たからには雄大な太平洋を見ないで過ぎるワケには行かないので、「さてどこで右折して海に出るか」という思いが常にあった。しかし九十九里浜一気通貫に砂浜がエンドレスに続いているのではなく、何かの縄張りであるかのように「何々海岸へようこそ」という看板が道中点在し、つまり幾つかの海水浴場が独立して存在しており、それらの集合体が「九十九里浜」を構成しているのです。それら歓迎看板たちを横目で睨みつつ「うーん、ここじゃないな」とパスし続けているうち急に視界が開けて、右手に海が!
浜の様子が分かるようになったので、「ではここで」とばかりに砂浜に乗り入れる。そうか、FUJIKOSKYが訪れていた浜でしたか。「同じ場所で同じ行動」とは正にそうですね。ずーっと海が見えないまま何十キロも進んで来て、ようやく海が見えたと思えばこれが絶景。やっぱ寄るでしょう。ここ萩園海水浴場は、地図で見ると九十九里浜の北限に位置している。
それにしても九十九里浜は長大です。ゆうに50Km以上はあるのでは?しかし日本の「1里」は4Km位だから九十九里だと200 Km近くになってしまいオーバー過ぎる。中国の「1里」は500m位なのでこちらで換算するほうが計算が合いそうだ。都内の感覚だと50Km走るのは大変な事ですよ、しかし今回の旅で感覚が麻痺しており、疲労はほとんど無し。ここでFUJIKOSKYが丁寧に分かりやすく書いておりますが、夢の試乗会ということに相成ります。自分なりの感想としては、最初APEに乗ったのですが、ギアの感覚を思い出すのに少し慎重になったものの、そう、エンストもありつつ段々蘇って来ましたよ、あの感覚!楽しいっすねえ。しかもオフロードですから、かつての愛車ヤマハDT50がとても懐かしい。次に萌之誉のCL50に乗りました。こちらのほうが操縦感覚的にはDT50に近いですね。但しロータリー式のギアには緊張しました。が楽しい。宝くじ当たったらマジ買うぜ、ギア付き。いや宝くじ当たったらまずクルマか。反面スクーターはこういうシチュエーションではどうしようもないです。砂浜だと特に安定感を欠くので、よろしくないです。基本街中の乗り物です。
あ、忘れるところでしたが景色もホント良かったです。
さて、ドラゴンコーク先導もここまで。銚子までは(達人)FUJIKOSKYが引率となります。

[FUJIKOSKY]銚子に到着

念願の試乗会を果たし、再び30号を北上。すぐに126号に合流します。ここからは山の中の走行です。アップダウンと多少のカーブを楽しみながら市内へ。JRの踏切を渡る寸前で先頭を代わってもらって、ここからは自分が案内をさせてもらうことにしました。まず、銚子駅横をパス。そして本日の宿となるビジネスホテル中央さんを右手に見つつ右折、利根川沿いを走ります。連休ということもあって、市場前は大混雑。クルマとヒトを回避しつつ、銚子港へ。ついに三人でポートタワーに登る日がやって参りました。天気は快晴。展望台からは犬吠崎の灯台も綺麗に見えます。高い場所から眺める海もまた別の素晴しさが感じられます。この辺りの地理を知ることもできますね。展望台を後にして(ちなみに昼食はタワーに併設された市場のマグロまんと鯖カレーまんでした)、今度は犬吠崎の灯台へ。これにもいよいよ三人で登る日が!高いトコロばかりですなあ(笑)。いやはや大混雑の灯台内。暗所恐怖症閉所恐怖症の方は挑戦しない方がよろしいかと。狭くて暗い階段で足止めされるのはあまり精神衛生上良くないですよ。しかし、いざ上に出てしまうとやはり素晴しい景色が!潮風も心地よいです。いろいろと撮影をして(実は灯台に行く途中に君ヶ浜に寄って何枚か撮りました)、時間もちょうど16時前ということで、宿に向かうことにしました。早く切り上げたのには勿論、ワケがありました。

[FUJIKOSKY]鈴女

美味しい美味しいとワタクシが騒いでいた「鈴女(すずめ)」さんに行くためだったのです。開店は17時ですが、30分前には並ぼうと決めておりました。昨年は17時に行ったのに一時間以上待ちになりましたから…。チェックインを済ませると、そそくさと用意をして宿を出ました。外は夕暮れ時で、空が絶妙な色彩に染まっています。何枚か撮影しつつ、鈴女前へ…30分前でも既に大勢の方々が並んでいるではありませんか!早く来て正解だった、と思ったのも束の間、なんと自分たちから待ち組にされてしまったというお笑い番組ならOKな展開に。結局、一時間ほど待ちました。一人で待ちじゃなくて良かったけれど。鈴女さんは、きちんと対応できる数のお客さんだけを入れるシステムになっているようで、席が空いているいないではないのですね。運ばれてくるトンでもなくデカい海老の乗った天丼などに涎を流しつつ待っていましたが、いよいよ我々の順番が来ると、広い座敷に上げてもらえました。写真が無くて恐縮なのですが、30センチもあるメバルの唐揚(でもたったの900円!)など、飢えた旅人は大量に堪能させていただきました。鯵のなめろうは、ここのは超美味です。あまりの感激に、ドラゴンコークは奥様に写メをしておりました(笑)。刺身類も煮物もステーキも美味しくないものは無く、ビールもすすみましたね。なのにやはり会計は一人三千円ちょいという驚愕。ついでに時間もまだ20時前。メンバーの二人に今回の旅で一番感謝された一時でした(笑)。

[ドラゴンコーク]感謝!

旅団長には常に感謝しております。鈴女はホント美味かった!実を言うと最初のビールで酔いが回って(ドラゴンコークは下戸です。酔えば酔う程弱くなる。「酔拳」の逆パターン)メバルの唐揚は覚えてます。美味かったです。なめろうも、刺身の盛り合わせも絶品でした。でもあとは記憶無し・・・。とにかく鈴女は確かに魚を食べさせる店では最上級であるということは申し上げておきます。

[FUJIKOSKY]最後の晩

駅までぶらぶら歩いて、今日はまだソフトクリームを食べていないことに気付いてコンビニで調達。夜の駅を眺めて、お土産屋さんに寄って、宿に戻りました。各自部屋で風呂などに浸かってから、萌乃誉の部屋に集合して、昨晩と同じくトランプ大会に。最後の晩はブラック・ジャックでした。明日は帰らなければならないんだなと思うと、寂しいような。宿の一階のコンビニで買ってきたビールなどを飲みつつ、遅くまで談笑して過ごしました。